赤ちゃんに行う検査や処置 | 埼玉県さいたま市浦和区 産婦人科の加藤クリニック

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NEWBORN BABIES

赤ちゃんに行う検査や処置


赤ちゃんとご家族の未来のために

生まれたばかりの赤ちゃんにとって、外の世界はお腹の中とはまったく異なる環境です。外の世界で過ごすうちに体の不調が現れることもあります。また、お母さんのお腹を通しての診察では分からなかった、生まれ持った病気が明らかになることもあります。赤ちゃんの体はまだ未発達なため、投薬によって病気を予防することもあります。赤ちゃんの未来、そして共に過ごすご家族の未来のために、出生後にクリニックで実施していることをご紹介します。

VITAMIN K2 SYRUP

K2 シロップ


ビタミンKについて

ビタミンKとは、主に血液の凝固や骨の形成に関わる栄養素です。体内で血液を固めるための組織を作る際にはビタミンKが必要であり、不足するとその組織が減少し、出血が止まりにくくなることがあります。

赤ちゃんとビタミンK

ビタミンKは様々な食材から摂取できるだけでなく、腸内細菌によっても生成されるため、多くの人は不足することがほとんどありません。
赤ちゃんの場合を考えると、ビタミンKは胎盤を通しにくく、母乳にも多くは含まれていないため外部からの摂取ができません。また、生まれたばかりの赤ちゃんでは腸内細菌による生成もほとんどありません。よって、赤ちゃんはビタミンKが足りない状態になりやすいといえます。赤ちゃんのビタミンK不足は、頭蓋内出血や消化管出血を起こすリスクになります。

K2 シロップの役割

K2シロップ(ケイツーシロップ©、ケーツーシロップ)とは、不足しがちなビタミンKを補うための薬です。摂取することで、ビタミンK欠乏性出血の発症を抑え、重症化しにくくする作用があります。

産後の入院期間中には、赤ちゃんがおっぱいやミルクを飲めることを確認した生後1日目からK2シロップの投与を開始します。

加藤クリニックでは、生後3か月まで毎週1回投与する「13回法」を採用しています。(K2シロップの摂取に同意いただけない場合は、新生児の安全が確保できないため、当院での分娩はお断りしております。)

NEWBORN HEARING TEST

新生児聴覚検査


新生児聴覚検査とは

新生児聴覚検査とは、赤ちゃんの耳の聞こえに異常がある可能性を調べる検査で、新生児聴覚スクリーニング検査とも呼ばれます。任意の検査ではありますが、加藤クリニックでご出産されたほとんどの患者様が実施しています。
産後、赤ちゃんが寝ている間にごく小さな音を聞かせ、脳や内耳の反応を確認するもので、赤ちゃんへの負担が少ない検査です。検査方法には、自動OAE法(内耳での反射をみる方法)と自動ABR法(脳の反応をみる方法)があり、加藤クリニックでは自動ABR法を採用しています。

検査結果について

検査の結果は「パス(Pass)」または「要再検(Refer)」のいずれかで表示されます。「パス」は、検査時点では聴覚に問題がないと考えられることを指します。「要再検」となった場合は、時間を置いて再度検査を行います。それでも「要再検」の結果が出た場合には、連携する専門施設をご紹介し、精密検査を受けていただきます。

なお、この新生児聴覚検査(新生児聴覚スクリーニング検査)自体では診断はできません。診断には専門施設での精密検査が必要です。また、スクリーニングで「要再検」となっても、最終的には聴覚に問題が見つからない場合(偽陽性)もあります。

赤ちゃんの聴覚に問題がある場合、早期から適切なサポートを受けることが、言葉の発達やコミュニケーション手段の獲得において非常に重要です。この検査は、そうした早期発見・早期支援につなげるためのものです。

さらに、「パス」の場合であっても、あくまで現時点での結果であり、成長の過程で進行性の難聴が見つかる可能性や、おたふくかぜなどが原因で後天的な難聴を発症する可能性もあります。普段の生活の中で、お子様の音への反応をよく観察することも大切です。

受診方法

検査は任意です。費用は自費(8,800円)ですが、埼玉県に住所のある方は助成券を利用できます。検査をご希望の方は、助成券冊子にある聴覚検査用の用紙に必要事項を記入し、入院時にお持ちください。妊娠34週頃にお配りする入院時書類一式の中に、聴覚検査に関するリーフレットが入っていますので、参考にしてください。

里帰り出産の方や東京都など県外にお住まいの方には、お申込み用紙をお渡ししますので、入院時にお持ちください。費用は一度全額自費でお支払いいただき、その後、お住まいの自治体で償還払いの手続きを行ってください。

NEWBORN SCREENING

先天性代謝異常等検査


先天性代謝異常等検査とは

先天性代謝異常等検査(新生児スクリーニング検査)とは、先天性の代謝異常やホルモン異常などの病気を早期に発見し、治療につなげるための検査です。産後の入院中に、赤ちゃんの足裏に細い針を刺して数滴の血液を採取し、調べます。赤ちゃんが持っている疾患を早期に診断し、治療を開始することで、重症化を予防したり、重い障害を防いだりできる可能性があります。また、早期から疾患と向き合うことで、赤ちゃんやご家族の生活を支えるサポートの幅も広がります。

加藤クリニックで実施している検査には、公費で受けられる「新生児マススクリーニング」「新生児マススクリーニング(追加2疾患)」、および自費で受けられる「オプショナルスクリーニング」があります。実施または希望する検査の同意書兼申込書に必要事項を記入のうえ、ご提出ください。

加藤クリニックで受けられる先天性代謝異常等検査一覧

検査 概要 実施 対象疾患 費用
新生児マススクリーニング 全国で行われる
基本の検査
必須 20疾患 無料(公費)
新生児マススクリーニング
(追加2疾患)
新たに追加になった
2疾患
任意 2疾患 無料(公費)
オプショナルスクリーニング より多くの疾患を
対象にした検査
任意 12項目(男児)
9項目(女児)
12,000円(自費)
新生児マススクリーニング

「新生児マススクリーニング」では、現在20種類の疾患が検査対象となっています。2025年4月からはさらに2疾患が追加され、これらについては任意で受けることができます。検査費用は公費負担で、採血料は入院費用に含まれています。

検査対象疾患

基本20疾患

フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症(楓糖尿症)、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸血症(HMG血症)、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(MCAD欠損症)、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、三頭酵素/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症

追加2疾患

重症複合免疫不全症(SCID) 、脊髄性筋萎縮症(SMA)

検査の受診方法

妊娠34週頃にお渡しする入院時書類一式の中にある「先天性代謝異常等検査 同意書兼申込書」および「新生児マススクリーニング検査(追加2疾患)」に必要事項を記入し、入院時にお持ちください。あわせてリーフレットもお渡ししておりますので、参考にしてください。

産後の入院中、赤ちゃんの足裏に細い針を刺し、血液を数滴採取します。まれに、穿刺部分があざになることがありますが、数日で軽快します。

検査結果は、産後の1か月健診でお伝えいたします。

オプショナルスクリーニング

オプショナルスクリーニングとは、先天性代謝異常等検査のうち、公費では対象とならない10疾患または12疾患(赤ちゃんの性別による)について、有償で検査を行うものです。「拡大新生児マススクリーニング」とも呼ばれます。

公費の対象となる疾患以外にも、医学の進歩によって新たに診断法や治療法が確立された疾患があります。これらについても、公費で全員に受けていただく基本検査と同時に実施し、調べることが可能です。

※注意:「拡大新生児マススクリーニング」という言葉は、公費で受けられる追加2疾患を指す場合もあります。

検査の受診方法

検査は任意です。妊娠34週頃にお渡しする入院時書類一式の中にある「オプショナルスクリーニング検査の同意書」で、「希望する」に○を付け、必要事項を記入して入院時にお持ちください。一緒にリーフレットや説明書もお渡ししておりますので、参考にしてください。

費用は自費で12,000円です。入院費用と併せてご請求いたします。検査方法は、産後入院中に行う新生児マススクリーニング検査と同時に、赤ちゃんの足裏から少し多めに血液を数滴採取して実施します。結果は産後の1か月健診でお伝えいたします。

検査対象疾患

ムコ多糖症 I 型、ムコ多糖症 II 型、ムコ多糖症 IVA 型、ムコ多糖症 VI 型、ムコ多糖症 VII 型、ポンペ病、ファブリー病(男児のみ)、ゴーシェ病、ニーマンピック病 A/B 型、クラッベ病、副腎白質ジストロフィー(ALD) (男児のみ)、アデノシンデアミナーゼ欠損症

OTHERS

その他


その他の処置や検査

黄疸チェックと光線療法

赤ちゃんは生後数日の間に、生理的黄疸といって血液中のビリルビンが一時的に増加することで黄疸の症状が現れることがあります。ほとんどの場合は数日で自然に軽快し、治療は不要です。しかし、まれにビリルビン値が過度に高くなったり、高い状態が長く続くことがあります。

そのような場合には、光線療法と呼ばれる、特別な波長の光を赤ちゃんに照射してビリルビンの排出を促す処置を行います。症状が軽快しない場合には、高次医療機関への紹介が必要となることもあります。

その他の処置や検査

お母さんの既往症や妊娠経過、また赤ちゃんの状態によっては、赤ちゃんに検査や処置が必要となる場合があります。状態によっては、NICUを備えた高次医療機関へ搬送することもございます。妊婦健診中や産後など、必要なタイミングで適切にご説明いたします。ご不明なことや不安に思われることがありましたら、どうぞ医療スタッフにお声がけください。

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