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2021.07.14

妊娠と鍼灸について

鍼灸とは、「しんきゅう」と読み、名前の通り「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」を使った治療です。産婦人科には鍼灸師がいることが非常にまれですが、サービスとして鍼灸師を雇用して疼痛緩和や分娩促進のために東洋医学を提供している産婦人科もあります。そんな鍼灸について、ご紹介いたします。

鍼灸とは

鍼灸とは、「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」を使った東洋医学の治療法の1つで、術者が手で患者の身体に触れ、身体の変化や状態を把握し、鍼や灸で刺激を与えることで身体の状態を整えて病気や機能回復、健康増進はかる治療法です。
鍼灸師が治療を行いますが、鍼灸師というものは実は存在せず、実際は鍼専門である「はり師」と灸専門である「きゅう師」という2つの資格者により施術を行います。鍼も灸も行える施術者もいるのでそういう人は「鍼灸師」と呼ばれます。はり師・きゅう師ともに国家資格を有しています。

東洋医学とは

一般的な医療といわれるものは、西洋医学が主流です。体の不調に対して投薬や手術などで対症療法し、原因を取り除いて治療していく医学のことを指します。
一方で東洋医学の考え方としては、鍼や灸を使って体のツボを刺激することや、漢方で体の内側から根本的に直していき、人間本来が持つ自然治癒力を高めて行くというものです。
東洋医学では未然に病気を防ぐために日頃から免疫力を上げることや、体質改善することも重要だと考えられています。
西洋医学と東洋医学どちらが良いというものではなく、東洋医学と西洋医学の両方の良いところを取り入れて行くことが良いと思います。

鍼(はり)と灸(きゅう)とは

鍼と灸とはいったいどんなものなのでしょうか。
「はり」と聞くと注射針のような先の尖った「針」をイメージする方が多いのではないでしょうか。一般的な注射針は0.4〜1.6mmですが、鍼灸治療で使われるはりは0.14〜0.3mmととても細く、注射針の3分の1の細さで先端も丸みを帯びているため体に刺した時の痛みはほぼないのが特徴です。このはりで体のツボを刺激して、体の不調を治療していきます。
「きゅう」とは、よもぎなどの薬草から作られている「もぐさ」という道具を使用します。もぐさをツボにおいて火をつけ、その熱で治療をしていきます。
火を使用しますが、やけどをするほどの熱さはなくじんわり温かく、リラックス効果のある治療法です。

鍼灸は誰でもできるの?(患者、術者)

鍼灸は、誰でもできるわけではなく、はり師ときゅう師の国家資格を持った術者が治療を行います。
診療の流れは、問診(痛みの部位・経過・原因などを確認)し、触診・脈診・聴診などを行い、問題が起きている部位の原因を探ります。
その後、鍼又は灸若しくは鍼灸の両方を使用して治療を行います。

鍼の治療の際には、無痛ではりを挿入し、刺激を与えたり微弱電流を流したりを繰り返し、抜き差しを行ったりと鍼師の得意な方法によって治療法が選択されます。これらの治療に使われる鍼は、高温高圧式滅菌をしたものや使い捨ての鍼を使用しているため、感染の心配はありません。
灸の治療の際には、もぐさを用いてツボに熱刺激を与えますが、もぐさは直接肌の上に乗せて着火する直接灸と、もぐさと皮膚の間を開けて行う間接灸があります。
直接灸の場合はやけどするほど熱くなることはありませんが、小さな水泡や灸痕が残ることがあります。
間接灸の場合は、もぐさと灸の間に生姜や味噌・にんにくを挟むこともあります。またお灸は鍼灸師に指導を受ければ自宅でも使用することが可能です。
自己判断で実施すると火傷のリスクがありますので、必ず鍼灸師の指導を受けてから実施するようにしてください。

不妊と鍼灸

近年増加している不妊症ですが、不妊治療の技術も進歩し、不妊症で悩む多くの夫婦が我が子を抱けるようになってきております。しかしどれだけ医療が進歩しても、妊娠できないこともあります。そういう時に東洋医学では、そもそもの母体が心身ともに健康であるのかという基礎に戻って考えています。

不妊治療は、ストレスを抱えやすく心の治療が必要な方も多いです。自分がほっとするリラックス法をみつけることが、妊娠しやすい体づくりにはとても大事になります。また鍼灸・漢方を取り入れて体の循環やホルモンを整え、生活習慣改善などを積み重ねていくことで妊娠しやすい体づくりができるようになります。不妊治療を行う婦人科でも、漢方を併用して治療する医師も増えて来ています。

妊娠と鍼灸

妊娠初期は、できるだけお薬は避けたい時期です。妊娠によるつわりやだるさ、むくみなどマイナートラブルに対してお悩みの方も多いです。そんな時にお灸などツボを刺激して、体質と体調を改善する方法を選択される妊婦さんも多くおられます。
妊娠後期以降で逆子の診断を受けた際にも、お灸は有効です。東洋医学的に逆子の原因は、冷え・気血不足・気の滞り・胃腸の不調などと言われています。
お腹の張りや冷えは逆子の原因になるため、まずはお腹が張らないようにする治療を行い、逆子体操なども併用していきます。
骨盤の形や臍の巻付き、子宮筋腫などでどうしても逆子が直らない場合もありますので、無理なお灸や逆子体操はお気を付けください。

疼痛緩和と鍼灸

出産時の痛みはみなさんもご存知の通りですが、身体の過緊張や不安・恐怖心などがあるとさらに痛みを増強させてしまうことがわかっています。
お産で大切なのはリラックスすることと、そのために深い呼吸をすること。そのため、その人に合ったリラックス法を妊娠時から見つけておくことです。
妊娠の時から鍼灸でリラックスできていた方には、陣痛時の産痛緩和にも鍼灸が有効である場合があります。鍼灸以外にもアロマセラピー・指圧・入浴・温罨法など自分に合ったリラックス法を見つけるようにしましょう。

効果あるの?やるとやらない違い

東洋医学は基本的には体質改善が主な目的です。そのため、西洋医学の手術や投薬による治療のように明らかな改善というのがわかりにくいのが実際です。
しかしながら妊娠中というのは積極的な手術や投薬が難しく、できるだけ避けたいと思っている妊婦さんも多いです。その場合、東洋医学もひとつの選択肢となります。
出産中の鍼灸に関しての研究も少しずつですがされるようになり、痛みの軽減や帝王切開率の低下など、ポジティブな研究結果も出て来ているようです。
今後、より一層東洋医学と西洋医学の良いところを合わせながら、より前向きな妊娠生活や出産が送れるような産婦人科が増えて行くと思われます。

浦和の産婦人科 加藤クリニックの鍼灸ケア

加藤クリニックでは、鍼灸師が一人ひとりのお身体の状態・お悩みに合わせて施術を行うオーダーメイドの院内トリートメントを行っています。妊娠中の方はもちろん、妊活中、産後の方も対象です。施術では、鍼とお灸を用います。状態によっては刺さない鍼やオイルトリートメントを使用していきます。痛みが苦手な方やセルフケアでお悩みの方もご相談ください。



この記事の筆者
加藤 恵利奈

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本大学医学部付属板橋病院で研鑽し
現在は加藤クリニック理事長兼院長、日本大学医学部産婦人科兼任講師。
周産期医療及び母体救命、妊娠高血圧症候群、新生児蘇生のシミュレーション教育を主に研究。

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