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2024.02.05

妊娠・出産の骨盤ケアについて

骨盤ケアとは、ゆるんだ骨盤をベルトなどで支えたり、歪んだ骨盤を正常な形に整えるために運動や体操をしたり、マッサージなどの手技を受けることです。産後の腰痛や肩こり、産後ダイエットなどで骨盤矯正や骨盤ベルトなどをされる方が多いですが、骨盤ケアとは一体どういうものなのでしょうか?
骨盤ケアについて詳しくご紹介いたします。

骨盤ケアって?

骨盤は身体の真ん中に位置します。上半身と下半身の両方から体重がかかるため、骨盤がしっかりしていないと全身のバランスが崩れ様々な不調を起こします。
骨盤ケアとは、妊娠や出産の影響で緩んだ骨盤や骨盤底筋群を元に戻すために、ストレッチや体操をご自身で行ったり、マッサージや矯正など施術を受けたりすることも骨盤ケアです。
骨盤ケアは腰痛や肩こり、産後ダイエットのためだけではなく、安産のため、尿漏れ、痔、便秘対策などにも大切です。
骨盤は骨の集まりなため、緩みや歪みは骨盤の周りにある筋肉である骨盤底筋群が主な原因であることが多いです。

骨盤と背骨の関係

頭痛や肩こり、腰痛などの原因は多くは骨盤と背骨の歪みであることが多いです。
背骨は上から順に頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨と繋がります。その下には大きな骨盤があります。
背骨は本来ゆるやかなS字カーブを描きますが、骨盤が歪むと背骨も歪んでいきます。
この歪みは骨盤から歪み始める人と、背骨から歪み始める人がいますが、
実は近年ではスマホやパソコンによる頸椎(首)の歪みが原因で最終的には骨盤まで歪んでしまう人が増えているので注意が必要です。下を向いた姿勢に慣れ、首が前に出るようになってしまうのです。
また、他には椅子に浅く座る姿勢で背中が丸まったり、足を組んだりすることも歪みの原因になると言われています。

不妊と骨盤の歪みの関係

男性と女性では骨盤の形が違うことはご存知でしょうか?
一般的に男性は縦に広い形、女性は横に広い形であることが多いです。女性は出産に適した形が横広い形なためこのように変化していったと言われています。
骨盤の中には子宮や卵巣など妊娠出産に影響する大切な臓器があります。
骨盤が歪むと、子宮、卵巣、大腸、膀胱に繋がる動脈の血流が低下してしまいます。
子宮や卵巣への栄養が不足すると子宮や卵巣機能低下に繋がったり、ホルモンバランスが崩れたり、不妊の原因にもなると言われています。
そのため、妊娠を希望される方にも骨盤ケアは大切です。
日頃からの姿勢に気をつけて、適度な運動をするようにしましょう。

妊娠と骨盤の歪みの関係

妊娠後は、大きくなる赤ちゃんを支えるため骨盤そのものへ負荷がかかることやお腹が大きくなり姿勢が変化してしまうこと、また出産に向け骨盤自体がゆるんでいくことから様々なマイナートラブルを起こすことがあります。
赤ちゃんの頭の大きさは直径約10cm、その大きさまで骨盤を広げなくてはならないため妊娠後期にかけてリラキシンというホルモンが増え、骨盤を徐々に広げていきます。
更には出産の時には恥骨も広がり、急激な身体の変化に激痛や歩けないなどのトラブルを起こす人もいます。
腰痛や尿漏れ、お腹の張りなどマイナートラブルを感じた時には、横になって骨盤高位にしてみてください。骨盤高位とは横になっておしりの下にクッションを敷いたような少し腰が上に上がっている状態のことをいます。
臓器が上に持ち上げられ症状が軽減する効果が期待できます。
また、骨盤ベルトも有効です。骨盤を支えることで骨盤の位置が整えられます。
ここで注意していただきたいのが、骨盤ベルトは恥骨とおしりの下で固定するということ。一般的に言われているこし骨(おへその横の出っ張った骨部分)を固定してしまうと逆効果になりますので注意してください。
固定場所が分かりにくい場合は産婦人科で助産師に訊ねてみてください。正しい骨盤ベルトの位置を教えて貰えますよ。

出産と骨盤の歪みの関係

出産後は、直径10cmもある赤ちゃんが骨盤の中を通り、産道である筋肉や膜、靭帯などは伸びていますし、時には断裂したりしてとてもダメージを受けている状態です。
妊娠期間中より徐々に感じられていた様々な身体の不調が、出産することでさらに劇的に変化し、妊娠前とは明らかに異なる身体とそれに伴う症状を訴えられる方は多いです。
産後のトラブルとして、尿漏れ、便失禁、会陰の下垂感、足のむくみなどが挙げられます。
特に以下の4つのお産で出産された方はトラブルにつながりやすいと言われています。
①急な進行でお産になかった方(産道が柔らかくなる前に強い陣痛で生まれてしまい損傷しやすい)
②吸引分娩や鉗子分娩、クリステレル分娩の方(外からの強い圧で産道を損傷しやすい)
③長時間の分娩だった方(長時間の陣痛は骨盤底筋群に負荷がかかり、また児頭の圧迫で循環不全に陥りやすい)
④巨大児を出産した場合(筋肉や膜、靭帯などの過度の伸展に繋がることがある)

このように産後のトラブルがある方はできるだけ産後すぐに骨盤ベルトで整えてこれ以上骨盤が開かないようにしていくこと、また育児中の姿勢に気をつけつつ、産後1ヶ月頃から産後体操や軽い運動を始めるなどのケアが大切になってきます。

ケアの内容、やった方がいいの?

「骨盤ケアってやった方がいいの?」と質問を受けることがありますが、ズバリ言います、骨盤ケアは妊娠を希望する時期から産後まで通算してやった方が良いです!
トラブルになる前に予防出来るのが1番大切だからです。
骨盤ケアの三原則というのがありますので出来ることから少しずつ始めるようにしましょう。

骨盤ケアの三原則とは、「①内臓をあげる」「②固定する」「③筋肉を整える」です。
「①内臓をあげる」とは、下がった子宮や卵巣、膀胱などを元の位置に戻すことです。
内臓をあげる方法は、骨盤高位の姿勢を保つことです。
仰向けに寝て15cm程の厚みのクッションや座布団におしりを乗せます。その後は30分ほどキツくない時間で結構ですのでリラックスして過ごすのが大切です。
また、骨盤高位の後には骨盤ベルトをするとより効果があります。

「②固定する」とは、ゆるんだ骨盤をベルトやさらしで心地よい圧で固定することで、支えてあげることでトラブルが軽減します。
固定する位置は恥骨結合の上と仙骨の下(おしりの下)、大転子部(脚の外側の1番出っ張っている場所)です。
妊娠中固定をするときにはお腹を締め付けないように気をつけるようにしましょう。
産後のゆるんだ骨盤は半年ほどかけて自然に戻っていくのですが、1度大きく開いた骨盤はズレや歪みが生じやすいです。このズレは産後太りの原因にもなるので油断大敵です。
骨盤ベルトを正しい位置につけてサポートすることで正しい位置に戻っていきやすくなります。

「③筋肉を整える」とは、骨盤は実は骨盤底筋群という筋肉や靭帯で支えられています。それらの筋肉をトレーニングしたりコリをほぐしたりすることでトラブルを軽減することができます。
身体が硬い人の特徴は姿勢が悪いということです。
そのままにしておくと筋肉は固くなり更に骨盤や背骨も歪んでしまいます。
まずは正しいストレッチをして筋肉や靭帯を柔軟にし、その後に運動で骨を支える筋肉を育てる。
この時には大変な運動などは必要ないです。ながら運動で大丈夫です。毎日少しずつ運動を取り入れるようにしていくようにしましょう。

やるとやらないでの違い

「産後は太りやすい」という言葉を良く耳にします。
これは妊娠や出産による骨盤の変化が主な原因であることが多いです。
骨盤ケアの三原則の「①内臓をあげる」「②固定する」「③筋肉を整える」を日々取り入れてみる。それだけでも体質改善に近い効果があります。
それだけでなく、身体の土台である骨盤はダイエットだけでなく健康にも大きな影響を与えます。
骨盤が歪んだりズレたりしていると臓器への血流が悪くなります。それにより冷え性や腰痛などあらゆるトラブルに繋がってしまうのです。
妊娠出産に関わらず、骨盤ケアをして健康的な身体作りをしていきましょう。

浦和の産婦人科 加藤クリニックの骨盤ケア

加藤クリニックでは、産前、産後の骨盤ケアを行っております。
身体の状態を知り、骨盤を正しい状態に促す妊娠中の姿勢や育児動作の指導を行う骨盤ケア教室・骨盤健診。妊娠中のマイナートラブルや産後のお困りの症状に働きかける骨盤整体。アプローチも様々で、産前の方、産後の方は問いません。
その他、妊娠をご希望の方や、当院婦人科にかかりつけの方で体の不調にお困りのことがございましたらご相談ください。
骨盤ケアに特化した助産師が、直接患者さんの状態を確認し、必要なケアをサポートさせて頂きます。


この記事の筆者
加藤 恵利奈

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本大学医学部付属板橋病院で研鑽し
現在は加藤クリニック理事長兼院長、日本大学医学部産婦人科兼任講師。
周産期医療及び母体救命、妊娠高血圧症候群、新生児蘇生のシミュレーション教育を主に研究。

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