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栄養食事
2022.04.11

妊婦の食事〜妊婦に必要な栄養素とは〜

妊娠すると体重管理や貧血予防などの食事指導を受ける妊婦さんも少なくありません。妊娠中に食生活を整えることは、出産後に始まる育児の予行練習にもなります。
妊娠各期でそれぞれ気をつけるべき点や工夫すべき点もあります。
今日はどんな食事に気をつければいいの?というお母さんのために妊婦に必要な栄養の視点でお話ししていきます。


目次

  • 妊娠初期の食事
  • 妊娠中期以降の食事
  • 妊娠中に重要な栄養素
  • 妊娠中の体重管理


妊娠初期の食事

妊娠初期は、赤ちゃんが基本の器官を作り始める頃でとても大切な時期ですが、ママの身体ではホルモンバランスが大きく変化し、つわりなど辛い症状を訴える方も多いです。
つわりとは、食欲低下や嘔気、嘔吐、全身の倦怠感、眠気などあらゆる症状があり、十分な食事摂取ができずに辛い思いをされるママもいます。赤ちゃんのためにバランスよく食べなくちゃと焦る方もいますが、この時期に大切なのは沢山食べることより食べやすいものを少しずつ食べること、そして水分を摂ることです。無理に食べようとはせず、食べられるものや飲みやすいものから摂取していくようにしましょう。また可能であればサプリメントなどを併用するようにしましょう。


妊娠中期以降の食事

妊娠中期頃に入るとつわりも落ち着き、今まで体重が減っていたママも妊娠初期のつわりの反動で過食気味になるママもいます。この時期は体重管理がとても重要で増えすぎ注意!と医師から言われた方もいることでしょう。
妊娠中期以降の食事で気をつけなくてはならないのは、体重管理ももちろんですが、糖質の摂りすぎと塩分の摂りすぎにも注意が必要です。妊娠中は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすく、これらの疾患を予防していく必要があります。
おすすめは野菜を中心とした食事です。野菜の一種である根菜は炭水化物が多く糖質の一部では!?と思われるかもしれませんが、その分食物繊維も豊富なので妊娠中には積極的に摂取してほしい食材です。味付けはできるだけシンプルなもので薄味をこころがけましょう。ドレッシングなどの塩分にも注意が必要です。

  • 糖質の多い食べ物:ご飯、パン類、麺類、イモ類、スイーツ、お菓子など
  • 糖質の少ない食べ物:大豆製品、ナッツ類、野菜、海藻、キノコ類など


妊娠中に重要な栄養素

妊娠初期は無理して食べる必要はありませんが、サプリメントなどを併用しながらこれから紹介する栄養を積極的に摂るようにすると良いでしょう。妊娠中期以降は食材から直接摂取していけるように心がけましょう。

葉酸

葉酸はビタミンB群のひとつで赤ちゃんの発育のために必須な栄養素です。また赤血球を作る造血のビタミンと呼ばれておりママにとっても大切な栄養素です。
葉酸は水溶性ビタミンなのでこまめに摂取する必要があり、熱にも弱い性質があるためサラダやサプリメントなどで摂取すると良いでしょう。妊娠を希望する頃(妊活中)から妊娠中、授乳中までと妊娠全期間において積極的摂取を推奨されています。

  • 1日の摂取推奨量:成人女性240μg、妊活中〜妊娠初期400μg、妊娠中期〜後期480μg、授乳中340μg
  • 葉酸を多く含む食材:ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、鶏レバー、モロヘイヤ、春菊


たんぱく質

たんぱく質は赤ちゃんとママの血液や臓器、肌、ホルモンなどを作り、全身で必要な栄養素です。たんぱく質は20種類のアミノ酸でできていますが、その中でも特に体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸をは食事で積極的に摂取していかなければなりません。たんぱく質を多く含む食材を意識して摂取していれば必須アミノ酸も一緒にバランス良く摂ることができるため神経質にならなくても良いでしょう。

  • 1日の摂取推奨量:成人女性50g 妊娠初期+0g 妊娠中期+10g 妊娠後期+25g
  • たんぱく質を多く含む食材:お肉全般、魚全般、牛乳、大豆製品、卵
  • 必須アミノ酸が多く含まれる食材:まぐろ、かつお、あじ、さんま、肉類全般、高野豆腐など


鉄分

妊娠中は赤ちゃんに血液を送る関係でママの血液循環量は非妊時の1.4倍にもなると言われています。そのため血液自体が薄まってしまい、立ちくらみや動悸、少し運動すると息が上がるなどの貧血症状が出現しやすいです。
鉄分を多く含む食材を摂る際には食べ合わせでビタミンCやたんぱく質を一緒に摂ると吸収率を高めます。ほうれん草とお肉を一緒に炒める、ひじきを食べるだけでなく食後にフルーツも摂るなど工夫してみてくださいね。

  • 1日の摂取推奨量:成人女性10.5mg 妊娠初期+9mg 妊娠中期〜後期+16mg 授乳中+9mg
  • 鉄分を多く含む食材:レバー、肉類、カツオ、あさり、ひじき、納豆、がんもどき、ほうれん草、木綿豆腐、卵など


カルシウム

赤ちゃんの骨などを作るために必要なカルシウムですが、ママの食事でカルシウムが足りていない場合、赤ちゃんはママの骨からカルシウムを吸収し発育していきます。それによりママは骨が脆くなってしまい、骨粗鬆症のリスクが上がります。また、カルシウム不足はイライラや精神不安定の原因にもなります。
日本人は平均的にカルシウム摂取量が少なく必要量に達していないことが多いため、妊娠がわかったら積極的にカルシウムを摂取するようにしましょう。
カルシウムは、ビタミンDやビタミンK、マグネシウムなどと一緒に摂取すると吸収率が上がります。きのこや納豆、海藻などを一緒に食事に取り入れるようにすると良いでしょう。

  • 1日の摂取推奨量:成人女性650mg、妊娠中も推奨量付加はなし
  • カルシウムを多く含む食材:牛乳、乳製品、小魚、モロヘイヤ、水菜、干しエビなど


妊娠中の体重管理

妊娠に伴い体重は増加するものですが、身体の中ではどのように体重増加をしているのでしょうか。出産時では、赤ちゃん3kg、胎盤と羊水1.5kg、子宮や乳房1kg、ママの血液循環量増加分1.5kg、組織液1.5kg、ママの脂肪増加分2〜3kg(ここが人によって変わります。)の体重増加が生じます。このことからおおよそ10kgは妊娠中に必要な体重増加量であるということがわかりますね。
しかし日本では痩せ思考が強く妊娠中の体重増加不良などで赤ちゃんの早産、低出生体重児が増えたこと、小さく生まれることで将来的に生活習慣病になりやすいことなどがわかってきたことから、2021年3月に妊娠中の体重増加量の目安値が見直されました。
妊娠中の体重増加量の目安は妊娠前のBMIによって変わります。以下を確認しご自身に合った体重増加をこころがけましょう。また、妊娠中期以降のつわりの消失とともに、一気に体重増加しないようにも注意し、体重増加は1週間で+300〜500gを目安にしましょう。体重管理アプリなどを活用することもおすすめです。


1.BMIの算出方法
体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

2.改定後の体重増加の目安
BMI18.5未満(やせ):+12〜15kg(改定前:+9〜12kg)
BMI18.5〜25未満(ふつう):+10〜13kg(改定前:+7〜12kg)
BMI25以上30未満(肥満1度):+7〜10kg(改定前:上限8kg)
BMI30以上(肥満2度):上限5kg(改定前:上限5kg)


おわりに

妊娠中に限らず、バランスのとれた食事をとることはとても大切です。甘いものなど糖質を食べて糖分の急激な変動が体内で起こると精神的に不安定になりやすいことがわかっています。また貧血の方にも産後うつが多いという研究結果も明らかになってきています。心と身体は密接に繋がっています。
妊娠中は食材の匂いやその日の体調などによって食べられるものや食べる量も変化するものです。食事管理や栄養については、それぞれの生活スタイルや嗜好、価値観なども影響しこれが正解だ!というものはありません。出産後の育児の準備のためにも、妊娠中にご自身の食生活が偏っていないか、体重が減りすぎたり増えすぎたりしていないかなど食生活を見直すようにし、わからないことや不安なことがあれば産院で医師や助産師に相談し調整するようにしてくださいね。


この記事の筆者
加藤 恵利奈

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本大学医学部付属板橋病院で研鑽し
現在は加藤クリニック理事長兼院長、日本大学医学部産婦人科兼任講師。
周産期医療及び母体救命、妊娠高血圧症候群、新生児蘇生のシミュレーション教育を主に研究。

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