HPV(ヒトパピローマウイルス)とワクチン
“HPVワクチンは「子宮頸がんワクチン」”と認識している方が多いかと思いますが、
HPVワクチンとは、特定のHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって引き起こされる病気を予防するためのものです。
HPVは子宮頸がんだけでなく、咽頭(のど)や外陰部、陰茎、肛門にできるがんの原因となることが分かっています。咽頭がんの中でも、特に男性の罹患数が多い中咽頭がんにHPVが関わっているといわれています。
この他、陰部に「できもの」ができる性感染症「尖圭(せんけい)コンジローマ」の原因になります。
自分が病気になるのを防ぐ、また、将来のパートナーへの感染やそれによる病気を防ぐためにも、男女問わずとても重要なワクチンです。
男性も、HPVワクチンの接種をご検討してみてはいかがでしょうか。
男性と女性が接種できるワクチン
男性 | 女性 | |
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ワクチン の 種類 |
4価(ガーダシル) | 2価(サーバリックス) 4価(ガーダシル) 9価(シルガード9) |
対象 年齢 |
9歳以上 | 定期接種は 小学6年~高校1年相当の年 (ワクチン自体の対象年齢は、 2価:10歳以上、 4価、9価:9歳以上) |
接種 費用 |
自費 (一部の自治体で 助成があります) |
定期接種期間であれば無料 期間外は自費 |
4価ワクチン(ガーダシル)について
日本では、男性に対するHPVワクチンの接種は4価のみ承認されています。
子宮頸がんや肛門がんなどの原因ともなる、特にリスクの高い16型、18型に、男女で発症が認められる尖圭コンジローマの原因となる6型、11型を加えたものです。
ワクチンの安全性
日本では、HPVワクチンに関する様々な報道があり、積極的勧奨が長期間中断されていました。
厚労省やWHOの研究からHPVワクチンは安全性の高いワクチンであることが再確認され、接種しないことによる不利益(予防できたはずの子宮頸がん他HPV関連がんへの罹患等)についても検討されたことから、現在では接種の積極的推奨が再開されています。
HPVワクチンに限ったことではありませんが、ワクチン接種の際には何らかの副反応が起こる可能性があります。接種部位の痛みや腫れ、赤みなど軽度の副反応は、接種後数日には軽快することがほとんどです。まれに、発熱や倦怠感、体の痛みといった全身症状が発現することもあります。
ご心配なことがあった際は、接種した医療機関にご相談ください。ワクチン接種後の症状については、原因を調べたり、必要に応じて補償を行ったりする機関があります。
加藤クリニックでの対応
加藤クリニックでは、男性に対するガーダシルの接種を行っています。
予約サイトでは対応していないため、接種をご希望の方は受付時間内にお電話でお問合せください。
2024年秋以降、シルガード9、ガーダシルに出荷制限がかかっていますが、ガーダシルは比較的ご案内しやすくなっております。在庫確保のため、事前のお問合せ、ご予約をお願いいたします。
接種費用 | 一部の自治体では助成を行っています。2024年12月現在、さいたま市では男性のHPVワクチンへの助成は行っていないため、さいたま市の方は全額自費での接種となります。接種の前に、お住まいの自治体の情報をご確認ください。 |
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接種回数と期間 | 間隔をあけて3回行い、接種完了までにおよそ半年かかるのが標準的なスケジュールです。 |
対象年齢 | 9歳以上の方を対象としています。性交渉を行う前に接種することが望まれますが、性交渉の経験があっても、26歳までの接種が推奨されています。 |
未成年の方 | 保護者の同意が必要です。未成年の方が接種する場合は、できるだけ保護者の方の付き添いをお願いいたします。 |
ご不明な点などございましたら、受付時間内にクリニックにお問合せください。